Mac OS

出典: Wikipedio


Template:出典の明記 Mac OS(マック オーエス)とは、アップルパーソナルコンピュータMacintosh (Mac)」と共に登場したオペレーティングシステム(以下、OS)のこと。グラフィカルユーザインタフェース(以下、GUI)の普及に大きく貢献した。

現在のアップルが開発・販売している後継のMac OS X(テン)は技術的に直系ではないため、単にMac OSといった場合は概ねバージョン9までのクラシックOSを指す。この記事でも基本的にクラシックOSについて記述する。

目次

概要

発表当時MacintoshはハードウェアとOSが不可分となっていた。ファームウェア(現在は通常OSで提供される高レベルなAPIも含み、Toolbox ROMと呼ばれる)とOSは一体化したシステムソフトウェアとして提供され、System<ref>日本語版は漢字Talkと呼称した。1986年に発売された漢字Talk 1.0はSystem 3.0を、漢字Talk 2.0はSystem 4.1を日本語に対応できるよう拡張したものだったが、漢字Talk 6.0以降はSystemのバージョンとバージョンナンバーが揃えられた。</ref>と呼ばれていた。Mac OSという呼称は一般に広く使われていたものの、公式な呼称ではなかった。

Macintosh互換機の登場によりアップル自身もMac OSという呼称を通称として使うようになる。System 7.5.1からは、起動画面でMac OSロゴが表示されるようになった。Mac OSという呼び名が通称から正式なものになったのは、1997年1月、Mac OS 7.6がリリースされたときである。互換機の普及とともに、MacのハードウェアとOSを明確に区分する必要が生じたことによる。その後アップルの方針転換により互換機は市場から姿を消したが、Mac OSという名前はその後のアップルのOS製品に引き継がれている。1998年に発売されたiMac以降は、Toolbox ROMの内容の大半がMac OS側に移され、ほぼハードウェアから独立したOSとなった。

ビットマップディスプレイマウスの利用を前提としていること、オーバーラップするマルチウインドウやメニュー操作、マルチスタイルフォントに代表されるWYSIWYG表示など、ゼロックス1970年代に研究開発されていた暫定Dynabook環境(SmalltalkをOSとして動作するAlto)から多くの影響を受けてはいたが、Altoでは3つあったマウスボタンをMacintoshでは1つに限って、操作体系をわかりやすく構築しなおしていた。ファイルシステムドラッグ・アンド・ドロップファイル操作、国際化に必要な情報を保存するためのリソースコードの分離、ファイルとアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーション)との関連付け、データ形式に依存しないクリップボードプルダウンメニューゴミ箱を発明するなど、今日でも使われている多くの独自のアレンジを加えることで使い勝手を向上させた。暫定Dynabook環境では部分的に隠れたウインドウの再描画もできなかったが、QuickDrawの実装により、これを実現させた。こうした改良により、GUIというものをコンピュータの世界に広く浸透させた功績は大きい。

また、Macに追従してマウスが付きはじめた他のパーソナルコンピュータでは、アプリケーションのGUIのデザインは統一性が全くない時代が長く続いたが、Macでは最初のモデルからアプリケーションソフトの開発環境で、そのデザインの正則となる材料 (Macintosh Toolbox) を定め、アプリケーションのGUIのデザイン開発をある程度まで標準化/作法化したことで、ひとつのソフトが使えれば、他のソフトも使えるというコンピュータ利用の形態を、パーソナルコンピュータにおいて初めて可能にした。

歴史

技術の進歩に伴いMac OSも様々な変化を遂げている。その系譜は概ねSystem 6までと、System 7、MacOS 8とMacOS 9の3つの時期に分かれる。

System 1, 2, 3, 4 (1984-1988)

Macintosh登場当時の直系である。画面は白黒ベースで基本的にシングルタスクのOSであり、QuickDrawの採用により、ハードウェアによるアクセラレーションなしでGUI OS環境を実用的な速度で動作させることができた。ファイルシステムは、初期ではMacintosh File Systemであったが、512KeやPlusに搭載された128KBのToolbox ROMおよびSystem 3.1よりHFSを採用した。今から見れば非常に貧弱な機能しか持たないが、それでも驚くべきことに初代MacintoshのToolbox ROMはわずか64KBに納められ、128KBのメインメモリ上ですべての機能が動作した(もっとも128KBでは実用が厳しいほどメモリが不足していたため、すぐに512KBモデルへのアップデートが行われた)。当時の限られたハードウェア上で動作させるため性能的には多くの制約があり、メモリを節約するために完全なシングルタスクを前提として設計されたToolbox APIは後のMac OSの発展の足枷となることになる。

System 6系列 (1989-1991)

商品パッケージ名称のSystem Softwareのバージョン表記と、Systemファイルのバージョンが(日本語版は漢字Talkのバージョンも)同一になった。System 4までと同じく、画面は白黒ベースで基本的にシングルタスクのOSだが、MultiFinderが用意され、疑似マルチタスク環境が利用できるようになる。32bit QuickDrawの登場により、24ビットフルカラーが扱えるようになる。TrueTypeが採用され、QuickTimeの登場によりマルチメディアデータを扱う環境が整う。ちなみにSystem 5というバージョンはない。これはSystem 6において、FinderとSystem自体のバージョンを統一するという方針によるものであった。この系列までは、1つのボリュームの中に同じファイル名のファイルは1つしか存在できないという制約があり、フォルダを分けていても、すでにMac内で使用されているファイル名はつけることはできなかった。2011年にはシステムクロックの表示がリセットされてしまう。

System 7系列 (1991-1997)

System 7.0(コードネーム:BlueBig Bang)では、システム全般が大幅に改良・強化され、Macintoshは本格的なマルチメディア時代に踏み出した。システムが32ビットクリーンになった(機能拡張(INIT)ファイル等には24ビットアドレッシングが残ったものもあった)。32bit QuickDrawやMultiFinderの疑似マルチタスク機能がシステムに全面統合され、QuickTimeも標準で付属するようになった。画面のデザインがカラー化され、ラベル機能など色を生かしたインターフェースが搭載された。仮想メモリの搭載により最大4GBのメモリ空間にアクセスできるようになり、巨大な画像データや動画ファイルを扱える条件が整う。Open Scripting Architectureの採用によりアプリケーション間通信の機構が整備され、AppleScriptによる自動操作を実現した。ファイル共有やドラッグ・アンド・ドロップの標準化も行われ、その後のMac OSの原型となったバージョンである。System 7.1でフォント管理はFont/DA Moverからフォントフォルダによる管理に移行し、日本語版にあたる漢字Talk 7.1ではことえりの最初のバージョンが搭載された。その後は機能拡張ファイルを追加することにより、音声認識、テキスト読み上げ、発行と引用などの最新技術が順次投入された。 System 7.1.2ではPowerPCへの対応をはたし、従来の68kコードを動的に変換して実行する機構を搭載、PowerPCへのスムーズな移行を実現した。

System 7.5(コードネーム:MozartCapone)では、ウィンドウシェードやメニューバーの時計、コントロールバーなどサードパーティーのアクセサリで実現されていた機能が標準で付属するようになった。また、ネットワーク機能も強化されTCP/IPクライアント機能を標準で備えるようになり、PowerTalkによる柔軟なネットワーク機能を実現した。その後のマイナーバージョンアップでは、次世代のCopland OSをにらんでQuickDraw GX、QuickDraw 3D、OpenDocJava仮想マシンといった新技術が次々盛り込まれた。こうした機能の強化のうち多くはシステムフォルダ内の機能拡張・コントロールパネルフォルダに新しいファイルを追加されることで行われ、システムは肥大化した。680x0からPowerPCへの橋渡しの役目を担うSystem 7.5.2は改良されたコード変換機構を搭載し68kコードの実行性能が向上した反面、新機能のOpen Transportをはじめとしてバグが多くシステムが不安定であった。(その後のSystem 7.5.3 Release 2とSystem 7.5.5にて不具合の多くは解消される)

また主に経営陣の問題から、部署ごとでバラバラに技術を作るだけでそのまま放置されるケースが目立つ。それらの矛盾はCopland計画で解決する予定であったが、結局は失敗することとなった。

Mac OS 8 (1997-1999)

1996年12月20日のアップルとNeXTとの合併発表、WWDC '97で発表されたRhapsody計画(後のMac OS X Server 1.0)を経て、2000年のMacworld Expo/San FranciscoでMac OS Xに向かうことが発表され<ref>アップル、「Mac OS X」を発表 新たなユーザインターフェイス「AQUA(アクア)」を備えた、次世代のオペレーティングシステム</ref>、それまでのつなぎとしてシステムの近代化、インターネットへの親和性強化が図られる。Coplandプロジェクトで開発されたもののうち、使えそうな技術から順次採用を進め、半年ごとにマイナーアップデートとメジャーアップデートを繰り返すという方針が発表された。

Mac OS 8.0(コードネーム:Tempo)ではFinderが刷新され、デスクトップピクチャの実装、プラチナアピアランス化により、インターフェースがCoplandとほぼ同様のものに変わった。FInderはマルチスレッド化され、ゴミ箱を空にしたりファイルをコピーしている最中でも、Finderでほかの作業ができるようになった。また、フォルダナビゲーション、ポップアップウィンドウといったCopland由来の機能がインターフェースに追加され、コンテキストメニューが標準採用された。インターネットへの接続アシスタントやWebサーバ機能、インターネットスイートCyberdog 2.0が付属するようになった。根本的な機能の刷新は先送りにされたものの、久々の新OSの登場はCoplandを待ち望んでいたユーザに歓迎された。新しいプラチナアピアランスはMacの象徴のひとつとなり、Mac OS最後のバージョンの9.2.2まで引き継がれた<ref>Coplandではアピアランスマネージャの搭載により、アピアランスを変更する機能が計画されていたが、実際にアピアランスマネージャを搭載したMac OS8.5以降のバージョン(8.0の段階ではアピアランスマネージャは非搭載)では、プラチナ以外のアピアランスは付属しなかった。</ref>。

Mac OS 8.1で新しいファイルシステムとしてHFS+が利用できるようになり、Internet Explorer for Macが標準ブラウザ、Outlook Expressが標準メールクライアントとなった。

Mac OS 8.5(コードネーム:Allegro)ではPowerPC専用となり、よりPowerPCへ最適化された。開く/保存ダイアログの刷新(ナビゲーションサービス)、Sherlockによるファイル内容の検索、ATSUI<ref>前述のQuickDraw GXとほぼ同等の技術。フォントさえ読み込めば、世界中の言語の入力・表示に対応する。</ref>によるフォント環境の改善、新しいヘルプビューアなどの機能が搭載された。新しいアピアランスマネージャを搭載し、画面上の文字表示にアンチエイリアスがかかるようになり(アンチエイリアスをオフにすることも可能)、フルカラーのアイコンもサポート、より重厚なアピアランスとなった。

Mac OS 8.6では、省エネルギー機能の向上、マルチプロセッサ対応の改善など、様々な機能の改良が行われた。USBの標準サポートもされた。

Mac OS 9 (1999-2001)

Mac OS 9(コードネーム:Sonata)では、特にインターネットを意識した機能強化がなされ、キーチェーン、ファイルの暗号化音声認識によるログイン、疑似マルチユーザ機能などが搭載された。Mac OS Xへの橋渡しの役割を担ったバージョンであり、アプリケーションパッケージCarbonlibなど、Mac OS Xとの互換性を意識した機能が盛り込まれた。Mac OS Xに比べて一部の動作が軽快に感じられること、またMac OS X以降の設計思想の変化などから、現在でもMac OS 9を愛用する層が存在する(通称「9er」と呼ばれる)。時期的にWindows XP/Mac OS X両者の影に隠れがちだが、最後のバージョンとなったMac OS 9.1/9.2はMac直系OSの到達点として比較的高い完成度を持っており、最後まで改良の努力を続けたMac OS開発陣の姿勢はユーザに一定の評価をされている。Template:要出典

得意分野

Mac OSは組版デザイン写真イラストレーションといった分野で好んで利用された。これはPC/AT互換機では、多色高解像度へ満足のいく対応が行われた時期が遅く、それまではMacが事実上唯一の存在であったことが最大の理由である。また、色調管理など多色画像処理に必須とされている機能にも早くから対応しており、完成度の高いWYSIWYGを当初から実現していたことも大きい。

さらにDTPのジャンルに特化したソフトが早くから多く開発・販売されたことが、印刷・出版業界におけるMac OSおよびMacintoshマシンの普及に大きく貢献した。アドビシステムズからはPhotoshopIllustratorアルダスからはAldus PageMaker(のちにアルダスごとアドビシステムズに買収)、Quark社からはQuarkXPressといった、業務用ソフトウェアが揃っていた。

画像処理を得意とする理由としては、Lisa のためにビル・アトキンソンが中心となって開発したグラフィックルーチンLisaGrafがMac OSに移植され、 QuickDraw としてはじめの機種から ROMの状態で搭載された点が大きい。また当初よりある程度先を見て広いメモリ空間を確保しており、いわゆる「640KBの壁」に悩まされていたMS-DOS系システムに比べて大きな画像を扱いやすかったという要素も挙げられる。グラフィックルーチンは Mac OS X から PDF をベースとした Quartz に替わったが、互換性を考慮して現在も残されている。

また、サウンド関連の機能が比較的充実していたこともあり(Sound Managerによるところも大きい)、CubaseLogic StudioVisionDigital PerformerPro Tools等の様々なソフトや周辺機器(アップル自身もMIDIインターフェイスを発売)が発売され、プロのミュージシャンに盛んに利用された。ヤマハローランドも初心者向けパッケージを発売し、アマチュアの愛用者も多かった。

デスクアクセサリ

デスクアクセサリ(Desk Accessory、DA)は、Systemと呼ばれていたころのMac OSにおいて、使用中のアプリケーションとは別に起動しておける小物的なアプリケーションのこと。

当時、Mac OSはシングルタスクであった。そのため、別のアプリケーションを使用するには一旦終了させなければならない。これは、搭載していたメモリが少なかったことに起因する。

デスクアクセサリは起動と終了の手間を省くための手段として用意された。デスクアクセサリはわずかなメモリしか使わないため、使用中のアプリケーションとは別に起動しておくことができるため、このころのMacには欠かせないものだった。そういったこともあり、小物の位置づけであるにもかかわらず多機能なデスクアクセサリが多数開発された。Mac OSにあらかじめ搭載されていたデスクアクセサリもある。Mac OS 9まで残された「計算機」や「スクラップブック」がそうである。

使用方法

デスクアクセサリを使用するためには、まず「Font/DA Mover」と呼ばれるユーティリティソフトウェアでシステムにインストールする。インストールしたデスクアクセサリはアップルメニューから起動できるようになる。

OSが疑似マルチタスクになるとデスクアクセサリは不要になり、アップルメニューはアプリケーションやファイルを起動するためのランチャーとなった。Mac OS 9まではデスクアクセサリのランチャーであったことの名残だということがうかがえる。

アーキテクチャ

  • QuickTime - マルチメディアツール
  • QuickDraw - グラフィック描画ルーチン
  • OpenDoc - ファイル中心のインターフェイス

脚注

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関連項目

参考文献


外部リンク

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