日本三景

出典: Wikipedio


日本三景(にほんさんけい)とは、日本の3つの名勝地のことである。

目次

概要

日本三景は以下の3つの名勝地を指す(番号は上掲されている画像の数字と対応)。全て(沿岸)にある風景となっており、各々古くから詩歌に詠まれ、絵画に描かれていた。

  1. 松島宮城県宮城郡松島町を中心とした多島海
  2. 天橋立京都府宮津市にある砂嘴
  3. 厳島(宮島) … 広島県廿日市市にある厳島神社を中心とした

江戸時代前期の1643年寛永20年)に、儒学者林春斎がその著書『日本国事跡考』において、「松島、此島之外有小島若干、殆如盆池月波之景、境致之佳興、丹後天橋立、安芸厳島為三処奇観」と書き記した。これを端緒に「日本三景」という括りが始まったとされる。

その後、1689年元禄2年)に儒学者・貝原益軒が、その著書『己巳紀行(きしきこう)』(丹波丹後若狭紀行)において、天橋立を旅したくだりで天橋立を「日本の三景の一とするも宜也」と記している。これが「日本三景」という言葉の文献的な初出とされ、貝原が訪れる以前から「日本三景」が一般に知られた括りであったと推定されている<ref>宮津天橋立観光案内「歴史と文化」(天橋立観光協会)</ref>。

日本三景を雪月花にあてる場合、「」は天橋立<ref>実際に年最深積雪(1971年~2000年の平年値)の指標では、日本三景の中で天橋立が最も雪が多い。</ref>、「」は松島、「」は紅葉を花に見立てて宮島をあてている。

近況

近年の年間観光客数は、松島が約370万人<ref>伊達な広域観光圏整備計画観光庁) 2007年の松島町のみの値。</ref>(奥松島や塩竈などを含む松島全体では622万人<ref>観光統計概要 平成19年(宮城県経済商工観光部観光課)</ref>)、宮島が約309万人<ref>広島・宮島・岩国地域観光圏整備計画(観光庁) 2007年の廿日市市宮島町のみの値。</ref>(対岸も含めた廿日市市全体では562万人<ref>平成19〔2007〕年 広島県観光客数の動向「第2-1 観光客の概況」(広島県)</ref>)、天橋立が約267万人<ref>平成18年京都府統計書 第10章運輸・情報通信・観光「10-13.市町村別観光入込客数及び観光消費額」(京都府) 2006年の宮津市のみの値。</ref>(阿蘇海に面する宮津市と与謝野町の合計は約371万人<ref>平成18年京都府統計書 第10章運輸・情報通信・観光「10-13.市町村別観光入込客数及び観光消費額」(京都府) 2006年の宮津市と与謝野町の合計値。</ref>)となっている。

観光大使として、松島には「松島キャンペーンレディ」、天橋立には「プリンセス天橋立」、宮島には「宮島観光親善大使」がおり、日本三景共同キャンペーンの際などに一緒に活動している。

日本三景はいずれも世界遺産登録に動いたが、現時点では厳島神社1996年平成8年)12月登録)以外は登録に至っていない。

2006年(平成18年)7月、天橋立、松島、宮島の日本三景観光連絡協議会では、林春斎の誕生日の7月21日を日本三景の日と制定した。

2007年(平成19年)4月、日本を訪れる外国人観光客向けに、ミシュラン実用旅行ガイド (MICHELIN Voyager Pratique Japon) が発刊された<ref name=MVPJ>ミシュラン初の日本に関する実用旅行ガイド「MICHELIN Voyager Pratique Japon」いよいよ刊行へ(ミシュラン 2007年3月27日)</ref>。これは「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の一環として、ミシュラン社や国土交通省などが連携したものである。日本三景では松島と宮島が単独の項目として記載され、各々三ツ星が3つずつ付いた。

2009年(平成21年)3月、日本を訪れる外国人観光客向けに、ミシュラン観光ガイド (MICHELIN Green Guide Japon) が日本政府観光局の協力を得て発刊された<ref name=MGGJ>日本に関する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」が初登場(ミシュラン 2009年1月31日)</ref>。日本三景では松島と宮島が単独の項目として記載され、松島では、松島海岸地区に三ツ星3、二ツ星4、一ツ星8の計25、塩竈地区に二ツ星3の計6、全体で合計31の星が付いた<ref name=stars>「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」掲載地リスト(ミシュラン 2009年1月31日)</ref>。宮島では三ツ星3、二ツ星2、一ツ星3の計17の星が付いた<ref name=stars/>。2009年9月には英語版も発刊される予定<ref name=MGGJ/>。

温泉・冷泉

日本三景としての知名度の高さはあれ、各地域では宿泊客数の減少に苦しんでいる。その打開策の1つとして、日本三景が持ち合わせていなかった温泉を開発する動きが近年起こっている。

天橋立では、1999年(平成11年)12月20日天橋立温泉が開湯した。キャッチコピーは「神々の遊湯(あそびゆ)」。現在は旅館9軒、民宿2軒、外湯1軒で利用されている(一部の旅館は冷泉)。泉質塩化物泉単純温泉など。

宮島には、冷泉を加温して給湯する温泉があったが、30年前の公共下水道工事により途絶えた。2004年(平成16年)に新たにボーリングなどを行い、冷泉が復活した。現在は、旅館3軒が加温して給湯している。泉質は放射能泉<ref>《温泉宿》の復活ものがたり(錦水館)</ref>。

松島では、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに合わせ、2008年(平成20年)8月5日松島温泉が開湯した。キャッチコピーは「太古天泉」。泉質は単純温泉と塩化物泉。

その他

  • 林春斎の言葉は各名勝地の記念碑に記されているが、全ての記念碑で紹介する順序が違っており、松島では原典通り東から「松島、天橋立、厳島」、厳島では西から「厳島、天橋立、松島」、天橋立では「天橋立、松島、厳島」と、それぞれ自らを三景の筆頭に置いている。

新日本三景

1915年大正4年)、日本三景にならって実業之日本社主催による新日本三景の選定が行われた。全国投票の結果、以下の3つが選ばれた。

脚注

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外部リンク

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