封神演義

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Template:独自研究 プライバシー・ポリシー Wikipedioについて 免責事項 Template:特殊文字 Template:中華圏の事物 Template:文学封神演義』(ほうしんえんぎ)とは、中国明代に成立した神怪小説。『封神伝』『封神榜』(榜とは立て札のこと)『封神榜演義』ともいう。なお、登場人物については封神演義の登場人物一覧を参照。

目次

封神演義とは

元は紀元前の商周革命に神怪的な要素を加味して作られた文学作品であり、古くから芝居や講談の題材として扱われ、中国民衆の間で広まった。

中国の一般の人々の道教の神々に関する知識は、この書を元にしていることが多い。

作者

『封神演義』の作者には諸説あり、明確に定まった説は未だにない。最古の版本である『鐘伯敬先生批評封神演義第二十巻』には、許仲琳編と記されている。また、冒頭部分を許仲琳が書き、その後、序文を記している李雲翔が手を加えたという「許仲琳・李雲翔合作説」もある。その他、道教方面において著作の多い陸西星の作とする説もあるが、成立年代の問題などから疑問視する声もある。

また俗伝承として、『金瓶梅』の作者である王世貞が朝廷より『金瓶梅』の中身を見せるよう命じられたため、慌てて一夜で『封神演義』を書き上げて差し替えたというものもある。

版本

現存最古の版本は明代の『鐘伯敬先生批評封神演義第二十巻』で、日本の内閣文庫に所蔵されている。清代には褚人獲によって「四雪草堂本」と呼ばれるテキストが出された。中国や台湾で一般的に流布している活字本の内容は、これに基づくことが多い。四雪草堂本と『鐘伯敬先生批評封神演義第二十巻』のストーリーはほぼ同じだが、第九十九回の封神榜に名を連ねたメンバーが大幅に異なる(特に群星正神がかなり異なり、『鐘伯敬先生批評封神演義第二十巻』では戦死したにも関わらず名が載っていない人物が数多くいる)。

また清代には「蒙古車王府曲本」と呼ばれる口語体の二百二十回本も書かれたが、これは『鐘伯敬先生批評封神演義第二十巻』とは大幅に内容が違っている。

作品の評価

中国の四大奇書としては古くより『西遊記』『三国志演義』『水滸伝』『金瓶梅』が挙げられ、本書の評価はそれより一段低いものとなっている。例えば魯迅は『中国小説史略』で「『水滸伝』に比べたら幻想的に過ぎ、『西遊記』に比べたら雄偉さに欠け、今に至るまでこの二作品と同列であると見なした者はいない」と酷評している。また、斉祐焜は『明代小説史』(中文・浙江古籍出版社)で「『封神演義』は思想面でも芸術面でも、作者が意図した『小説界に於いて水滸伝と西遊記と共に鼎立する』という抱負を果たすことは到底できなかった」と評している。一方で「だがそれでも『封神演義』は中国小説史で一定の重要な地位を占める」とも記している。

このように文学面での評価は芳しくないが、古くから伝えられていた説話に変わって『封神演義』のエピソードが広まったり、架空の神格であるはずの通天教主や申公豹の廟が建って実際に信仰されたりと、中国の民間信仰に与えた影響は大きく、文化的には重要な作品であると言える。

講談社の日本語版訳者の安能務は三大怪奇小説<ref>安能の主張する『怪奇小説』は怪奇性の高い小説のことであり、奇書(優れた小説)とは意味が異なる。</ref>として『三国志演義』『西遊記』『水滸伝』を挙げた後、怪奇性の高さを理由に、『水滸伝』より『封神演義』が相応しいと推している。しかし、研究者の中にはこの選別に疑問を挟む声もある<ref name="example">『封神演義』は「3大怪奇小説」の1つなどではありません関西大学文学部・二階堂研究室の旧ページ。</ref>。また民間での評価が高く知識人の評価が低い理由として、安能は、儒教の影響(儒教で理想とされる周公旦を持ち上げるため、太公望が活躍する本書の価値を不当に貶めた)を挙げている。だがこの主張には矛盾があり<ref>安能は講談社訳の前書きで、儒家は既に成立していた『史記』を除いて太公望(姜子牙)の名をあらゆる書物から隠した、という旨を記しているものの、『史記』の成立は孔子誕生より後である。但し、この「儒家」を孔丘だけでなく後代を含めた儒家全般を示すと考えた場合、儒家が知識階級で主要な地位を占めるのは漢代からであるので、この矛盾は解消される。</ref>、士大夫階級の人間が小説を問題視し禁書扱いすることは『封神演義』に限ったことではないため、安能の主張を批判する声もある<ref name="example"/>。

前史

太公望(姜子牙)が封神を行った」という故事自体は、古くは『史記』封禅書の記述の中に見られる。直接の前身となった作品は、の至治年間(1321-1323)以前に成立したとされる歴史小説『武王伐紂平話』である。また『封神演義』の作者は明代の余邵魚の小説『春秋列国志伝』も同時に参照していたと言われている。『封神演義』の骨組みはこの二作品のストーリーとほとんど同じだが、『武王伐紂平話』と『春秋列国志伝』があくまで歴史小説であるのに対し、『封神演義』は神怪的要素が加味された神怪小説である点で、前者二作品とは大きな違いがある。

その他『西遊記』『八仙東遊記』といった作品や、『三教源流捜神大全』などに収められた各地の民話伝承なども元になっているとされ、複数に渡る関越えの戦闘描写などは『三国志演義』の影響も受けているとされる。

日本での普及

日本でも古くから読まれ、江戸時代に好事家が既に読んでいた記録があり、大正時代にはこれを論じた論文も発表され、中国文学の専門の辞書にも掲載されており、魯迅も「中国小説史略」(平凡社東洋文庫1.2)において取り上げていた。ただし、一般への普及は極めて遅く、1989年に安能が講談社文庫『封神演義』(上・中・下)を通して紹介してからである。実際には、1977年木嶋清道が既に翻訳を行い出版していたが、ほとんど普及していなかったために、安能はそれ以前の封神演義に関する日本語文献を発見できず、「儒家がこの小説を異端視して普及させなかった」と、誤解に基づく主張を行い、孔子を罵ってしまったほどであった。

また、安能にとって本作は単なる翻訳ではなく、作品の根幹部分から細部に渡るまで安能による改変がかなり加えられた、いうなれば「超訳」であった。原典を元にしつつも、殺戒を『殺人欲求』と解釈したり、天数や封神事業を理不尽な天界の陰謀として扱ったりするなど、原典には無い解釈やエピソードが多く含まれている。後に安能は、この「超訳」は小説形式で展開していく「中華思想論のための布石」という位置づけであり、本作に多く加えた改変は自身の「意見」である、と「八股と馬虎」の後書きにて述べている。

知名度が上がり広く流布したのは、1988年に講談社文庫から訳書が刊行されてその奇想天外な面白さが『本の雑誌』等で話題になり、また1990年代以降に藤崎竜(集英社)の漫画など若年層向けメディアに取り上げられてからのことである。本ページの後の項も参照。

原型に一番近い形で読める日本語版は、光栄(現・コーエー)の『完訳 封神演義』(上・中・下)と言われている。ただ一部訳されていない詩があったり、底本が『鐘伯敬先生批評封神演義第二十巻』ではなく簡体字の活字本であることからの漢字の間違いが一部で見られる。

物語の概略

封神演義の物語は、中国民衆の間に深く浸透している世界観(道教神仙思想仏教、などが深く絡み合った中国独特の宇宙観)を多少とも知っていることが、それを理解する早道となるが、編者に道教神仙思想仏教の知識が乏しかったと推定されているため、一般的な道教からみると多分に疑問な記述が多い。編者は特に歴史知識に疎かったらしく、唐の武将李靖を殷代に登場させるという誤りを犯しているという指摘がある。

Template:ネタバレ

封神演義の世界において、世界は仙界と人界に分かれ、仙界はさらに、人間からなった仙人道士達からなる崑崙山の仙道「闡教(せんきょう)」と、それ以外の動物・植物・森羅万象に由来する仙道「截教(せっきょう)」とに二分されていた。

人界では時は商()の紂王の治世。名君と呼ばれた紂王はその心に兆した慢心から、女禍廟の祭祀において女媧への無礼にあたるふるまいを行った。すなわち、女媧は人間界のどの人間より美しい、この女媧が私のものであったら良いという意の詩を読んだわけである。この、紂王の「人」と「神」を混同した行動に女媧は怒り、千年生きた狐狸の精に紂王を陥れるよう命じた。狐狸精は、朝歌の紂王の後宮に入ることになっていた美女、冀州侯の娘・妲己の魂魄を滅ぼしてその身体を手に入れ、紂王を籠絡し始めた。これ以降紂王は、妲己に操られるまま次第に暴政を行うようになっていった。

一方仙界では、闡教の教主・元始天尊門下の十二人、つまり崑崙の十二大仙が、千五百年に一度の逃れられぬ劫として、人を殺さねばならないという罰を受けることになった。また昊天上帝(天帝)が彼ら十二人を臣下に命じたことから、商周革命に関わる闡教徒、截教徒、人道の中から三百六十五位の「神」を「封(ほう)」じる「封神」の儀式を行うことになった。

天命により、この封神の執行者として選ばれたのが、崑崙の道士の一人であった姜子牙……後に周国の丞相となる太公望である。

斯くして商代末期の商周革命の動乱を舞台に、四不相(四不像)に乗った姜子牙(太公望)がまきおこす商周両国の間の戦乱、ひいては闡教と截教の対立が描かれながら、数多くの仙人、道士の魂魄が封神榜の掲げられた「封神台」へと飛んでいくこととなる。

登場人物

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封神演義を元にした後世の作品

中国

劇場版アニメ『ナージャと竜王
1979年、王樹枕厳定憲徐景達共同監督。
哪吒と東海龍王敖光との争いを元に映画化。敖光は作中では子供を人身御供として要求し、雨を降らせず人間を苦しめる悪役として描かれている。
小説『神怪列国志 反封神榜』
楞嚴閣主 著、中国民間文芸出版社 刊、1988年12月。『封神演義』の後日談的な物語。二千年前の封神事業に関して、通天教主が玉帝に二十四か条に渡る要望を提出する。
また本書には別の物語『千年大比』も収録されている。
テレビアニメ『哪吒伝奇』(Template:Interlang、ナジャ伝奇、封神演義 〜ナタクの大冒険〜)
2003年–、中国中央電視台 (CCTV)、全52話。日本では2006年2007年岐阜放送で『封神演義 〜ナタクの大冒険〜』として放送され、DVDも発売された。
ドラマ『封神榜』
2006年、CCTV。范冰冰が妲己役を好演した。日本では『封神演義』の題名で2010年にDVD発売。

日本

小説『南総里見八犬伝
江戸時代曲亭馬琴の大河小説であるが、その構成などに影響がみられる。
漫画『殷周伝説・太公望伝奇
横山光輝 作。潮出版社コミックトム」にて1994年5月号–2001年に連載。単行本は全22巻。新版はコンビニコミック版で全10巻。
連載当初は『封神演義』の内容に沿っていたものの、原作では肝心な場面に神仙が出て来て話を解決してしまうので、内容が非常につまらなくなっているとして、途中で路線変更し、特徴である神仙的な要素を排除した歴史物語的な作風に改めている(道士を忍者のように扱い、神仙の技を忍法のような「タネや仕掛けがある」ものに変えている)。また、安能務の翻訳版の影響も見られる(昏君を「バカ皇帝」と括弧書きするなど)。
途中、作者が1年間休載して絵の完成度が低くなったため、単行本の出版を見合わせていたが加筆修正をしてようやく刊行された。刊行直後に横山が急逝したため、本作は横山の遺作となった。
テーブルトークRPG『央華封神RPG
1994年7月25日グループSNEデザイン、メディアワークス発行。封神演義をモデルとして制作された古代中国風のRPG。またこれを元にした小説(友野詳著)、漫画(栗橋伸祐作画)、ラジオドラマトレーディングカードゲーム(『央華封神TCG』)も制作されている。
漫画『封神演義』・テレビアニメ『仙界伝・封神演義』
藤崎竜漫画作品。原作は安能務の講談社文庫版『封神演義』。1996年2000年集英社週刊少年ジャンプ」で連載。この漫画を大幅に翻案脚色したテレビアニメ『仙界伝・封神演義』がテレビ東京系で放送された。また、バンダイよりゲーム化もされている。
ラジオドラマ『封神演義』
NHK-FM青春アドベンチャー』内で、1998年2000年夏休みスペシャルで放送された。3部構成で各20話、計60話。
安能務の講談社文庫版『封神演義』にほぼ忠実に作られた。姜子牙を石橋蓮司、紂王を藤岡弘、妲己を増山江威子、哪吒を野沢雅子、黄飛虎を大和田伸也、申公豹を壤晴彦、崇侯虎を大塚周夫、尤渾を永井一郎、などの豪華俳優声優陣で固めた。哪吒・白鶴童子(大山のぶ代)・雲中子(田の中勇)の三人だけで話を進めたこともある。その代わり、登場人物の無駄な多さを解消するため、兄弟や姉妹の数を減らすなどの苦慮がされている。何度か再放送しており、総集編では生前の安能務が特別ゲストとしてメッセージを寄せた。
小説『セレス』
南條竹則 著、講談社 刊、1999年4月、ISBN 4062095823。『封神演義』をモチーフにした未来小説。仙界を模した中国企業開発の仮想現実ネットワーク『セレス』が舞台となり、『元始天尊』『通天教主』『龍吉公主』など、『封神演義』の人物を名乗るユーザーや人工生命プログラムが登場する。
ゲーム『封神演義』
1999年7月20日光栄(現・コーエー)PS用。独自の解釈に基づいている。1と2があり、1を大幅に翻案脚色したドラマCDも発売された。
また、同社からはGC用アクションゲーム『バトル封神』、GBA用RPG『マジカル封神』といった関連ソフトも発売されている。
小説『小説 封神演義』
嘉藤徹 著、PHP研究所 刊、2000年7月、ISBN 4569574254
独自の綿密な調査による歴史・中国文化・文字解釈とSF的ガジェットで再構成した創作小説。筆者は中国文学の研究者であり、商代に実在した文物や風習を書き込む、歴史上の人物は『史記』『詩経』などの正統派の古典の記述を参考にし、虚構の人物に関しては『封神演義』のネタ本となった『武王伐紂平話』『春秋列国志伝』を参考にする、『山海経』系のメジャーな妖怪・神仙を登場させる、等の執筆方針を立てたことがあとがきで述べられている。
ゲーム『真・三國無双シリーズ』『無双OROCHIシリーズ』
2000年8月–、コーエーの家庭用アクションゲーム。メインテーマは三国志演義だが、太公望・妲己・女媧・伏羲が使用可能なキャラクターとして登場。

その他

アニメ映画 『ドラゴン水滸伝』(The Story of Chinese Gods)
1975年香港で作られた、封神演義を題材にしたアニメ映画。日本では東宝東和により公開された。ブルース・リーを思わせる風貌の楊戩が登場する。
オンラインゲーム 『天道オンライン
韓国LIZARD interactiveが運営するMMORPG。封神演義の後日談的な世界でが争う世界を舞台にしており、封神演義のエピソードやキャラクターもゲーム内に登場する。

関連項目

脚注

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関連外部リンク

参考文献

和訳

解説書

  • 二階堂善弘『封神演義の世界 中国の戦う神々』 大修館書店、1998年
  • 実吉達郎 『封神演義大全』 講談社、1998年
  • 安能務監修 『「封神演義」完全ガイドブック』講談社文庫 2002年

中国語書籍

  • 『古本小説集成』561〜565巻 《古本小説集成》編委會/編、上海古籍出版社、1994(日本内閣文庫所蔵『新刻鐘伯敬先生批評封神演義』の影印本)
  • 『封神演義』(上・下)許仲琳 / 編、作家出版社、1955
  • 『封神演義』(上・下)許仲琳 / 編、鐘惺 / 評、広東人民出版社、1980
  • 『封神演義』 許仲林 / 編著、上海古籍出版社、1991
  • 『封神演義』 陸西星 / 撰、鐘伯敬 / 評、楊宗塋 / 校訂 繆天華 / 校閲、三民書局、1991
  • 『封神榜 車王府麹本』(上・中・下)蘇寰中、郭精鋭、陳偉武 / 校点、人民文学出版社、1992en:Fengshen Yanyi

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