おたく

出典: Wikipedio


Template:告知 Template:独自研究 おたくとは、趣味に傾倒する人の一つの類型またはその個人を示す言葉である。

おたくには狭義と広義があるが、現代では区分が明確では無い。このため、定義などでは広義を含めて、歴史的経緯(後述)では狭義に関して主に説明する。

目次

定義

おたくとは趣味に没頭する人間を指す言葉で、中森明夫Template:和暦6月からTemplate:和暦12月まで『漫画ブリッコ』誌上に連載した「「おたく」の研究」の中で紹介され、一般化した(そのコラム自体は、おたくの外見や同人誌即売会での行動を論うものだった。おたくには、

  1. こだわりの対象に対して、所得や余暇時間のほとんどを費やす「消費性オタク」
  2. 「自分の趣味を周りに広めたい」「創造活動をしたい」と考える「心理性オタク」

の二種類が存在する。ただし他者を一方的に非難するのではなく、自虐的なものではないかという、擁護論もある)。これは「おたく族」という、従来からあった竹の子族太陽族といった「○○族」という扱いの範疇の一つとして挙げられている。(→若者文化

日本では主に、登場初期つまり1980年代の頃にはその出展元にも関連して、趣味(アニメ漫画アイドルコンピュータゲームコンピュータ鉄道など)をもつ独身日本人男性に対して用いられることが多かった。しかし近年、外国人日本人女性、そして既婚の男性に用いることも多くなり、また前述以外の、ややカルト的な趣味、インドア系の趣味、また学術的な趣味を持つ人に用いられることも多くなってきている。ただし、女性や外国人男性がこれらの趣味をもつ場合には「○○好き」「□□マニア」と呼称されることが多く、現在でもその傾向は続いている。また日本人男性でも50代以上の者、またアカデミックな学術分野に没頭する人が、オタクと呼ばれることは少ない。

幼稚園児や小学生などとの関わりにおいて、子供たちの指導者的立場として趣味的分野に詳しい大人が「○○博士」(鉄道博士、おもちゃ博士等)などと好意的に捉えられることがある。児童でそれらの知識が豊富なことをさして同様に「博士」呼称を用いることがある。

古くはアニメ・漫画といった作品に絡んで行われる同人活動(→同人誌)との関連性から、「狭義のおたく」と呼ぶべきかなり限定された意味合いを持つ存在とされたが、近年では含む意味が拡大して「広義のおたく」と呼ぶべき一定の範疇・属性を含むグループ全体をこのように呼称する傾向が見られる。「広義のおたく」では「社会一般からは価値を理解しがたい趣味に没頭しコミュニケーション能力に劣る人」というネガティブな見解から「特定の事物に強い関心と深い知識を持つ一種のエキスパート」であるといった肯定的な主張まで、オタクの意味するところは人により大きく異なり、今日でも変遷している。シアトル・マリナーズイチロー外野手が、捕球不能な外野フライを簡単に捕れるふりをしてランナーの進塁を防いだことを、「プロの選手だけに通用する『オタク的プレー』」と自称したことなどが好例である。

語源としては、彼ら(彼女ら)がアニメ作品などについて会話をする際相手に対する呼称(二人称)を「御宅」とし、「御宅は○○についてどう思う?……お宅は?」と呼び合ったのが始まりである。 アニメ超時空要塞マクロスで主人公の一条輝が、二人称のことを「お宅」と使用していたことがその呼び合いに繋がったという説もあるが、この説は一般には認知されていない。

オタクヲタクとも表記する。「おたく」は二人称単称の呼びかけ(「お宅は」=あなたは)であるため、属性分類としてのおたくはカタカナ表記することが多い(→#語源と初期の用法)。

なお、岡田斗司夫Template:和暦5月に発表した著書『オタク学入門』によると、少なくとも執筆当時には、この「オタク」という言葉がNHK放送問題用語に指定されていることが、岡田がNHKから取材を受けた際に明らかになったとのことである<ref>オタク学入門:NO.1</ref>(遅くともTemplate:和暦2月27日放送の新日曜美術館では、「オタク」という言葉が用いられ、「不適切な表現がありました」とか「発言者の意向を尊重してそのままお伝えします」等の断りをようNHKが入れていないので、「放送問題用語」からは外されていることになる)

近年では「オタク」という表現が一般化し、オタク=岡田斗司夫みたいな人と認識され、それらを嫌ったTemplate:要出典「オタク」と呼ばれる人たちは「オタク」という語の使用をやめ、「ヲタ」「**ヲタ」という語を使っている。 「車ヲタ」、「アニヲタ」、「ゲーヲタ」、「エロゲヲタ」、「ガンヲタ」、「ジャニヲタ」、「モーヲタ」、「珍ヲタ」、「マオタ」、「ゴスヲタ」、「サカヲタ」、「プヲタ」、「馬ヲタ」、「鉄ヲタ」、「バスヲタ」、「軍ヲタ(ミリヲタ)」、「建築ヲタ」、「ファッションヲタ」、「ブランドヲタ」、「役所ヲタ」、「読書ヲタ」、「メガネヲタ」、「渋谷ヲタ」などがその例である。

野村総合研究所(NRI)の調べでは、マニア消費者層(いわゆる「オタク層」)の2004年の市場規模は主要12分野で延べ172万人、金額にして約4,110億円に上り、オタクに共通する行動特性を抽出したところ「共感欲求」「収集欲求」「顕示欲求」「自律欲求」「創作欲求」「帰属欲求」の6つの欲求にまとめられるという<ref>「マニア消費者市場を新たに推計、04年は主要12分野で延べ172万人、4,110億円規模」野村総合研究所(2005年10月6日)[1]</ref>。

「オタク」という語は日本以外の国ではTemplate:Lang-en-short(「ナード」)やTemplate:Lang-en-short(「ギーク」)という言葉に並んで普及の一途である。

類語・類型

古くは伊達者や酔狂者ともいい、「伊達や酔狂ではない」といった慣用句は、本来は生業と趣味の違いをさしたものである。いわゆる生業としての糧を得るために物事に没頭や陶酔するのと、趣味で没頭や陶酔することを分け隔てて考えていた。 その他に好事家や物狂いなどがあり、現在では、愛好家とされるが、物狂いや酔狂からの転用で、「~狂」や「~きちがい」など乱暴な言い回しがある。

ヘンナヤツとオタク

学童期の少年にとってはオタクはヘンナヤツ呼ばわりと同等の響きを持つことがあり、いじめ校内暴力などの予兆と見られることがある。適切なリーダーシップが存在せず場の空気が支配する教室においては、しばしば空気の読めないオタクがいじめの対象とされやすい。

マニア・学者との違い

強い興味や関心を持つという点でオタクはマニア・学者とあまりかわらない<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本32">榎本秋『オタクのことが面白いほどわかる本』中経出版、2009年6月5日(32ページ)</ref>。社会通念上、あるいは評価者が個人的に許容しにくい趣味(あるいは外見的な容貌や行動様式)をもつ人を偏見をこめて安易に一般人がオタクと呼ぶだけであり、明確な差は存在しない。好意的に表現する際にはマニア、否定的に表現する際にはオタクという意見も見られる<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本32" />。また、自身をマニアと呼称して、オタクとの同一視を拒絶する者も存在する。近年は、ある物や趣味への没頭による創作よりも、物を消費することによってオタクと認知する人達も存在している。好意的に博士(ハカセ)と呼ぶこともある。「立派なオトナ」が偏執的な嗜好を持っていても、職業に直結している場合は(鉄道会社勤務の鉄道オタク、玩具開発会社所属の玩具オタクなど)ハカセ扱いされやすい。

オタク以前にも、何か特定の物に執着して社会通念上の評価を気にしない人は存在した。これらはマニアと呼ばれていた。ただ、マニア(mania)がその原義において「異常な熱中、熱狂、躁病、(希)精神の興奮」<ref>YAHOO辞書:mania[2]</ref>を表わすように、ある分野の情熱を芸術と言われるようになるまで創作能力を高めることがあることに対し、オタクは「オタク市場向け製品」が経済として成立しているために、ニッチな分野も様々に生まれて一定の属性によって消費している行為、および彼らの持つ知識を呼称してオタク趣味としていることが多い。つまり、日本の消費至上主義的な社会では、一部の才能ある創作者(マニア=オタク)を多数の支持者(オタク≠マニア)が消費する図式があり、従来マニアと称された区分が大衆化・拡張され、オタクという言葉と同一視(広義のオタク)されつつあることが現状である。ここから「マニア」の側からの上記のような拒否が生じている。

転用

「おたく」の語はそのイメージが在る種の曖昧性を含むこともあり、軍事兵器オタク(ミリオタ)・パソコンオタク・幕末オタク・鉄道オタク(鉄ちゃん、鉄子・鉄)・放送オタク・芸能人オタク(ハロー!プロジェクトオタク(ハロヲタ)・モーニング娘。オタク(モーヲタ)・Berryz工房オタク(ベリヲタ)・℃-uteオタク(キュートヲタ)・ジャニーズオタク(ジャニヲタ))・ラーメンオタク(ラヲタ)・浅田真央の病的ファン(マオタ)などといったような、アニメや漫画のみならず特定の対象・分野の愛好者、ファンを指す語として、適用範囲が広がった。また、「GAヲタ」などのようにすぐにわからないような俗称・略称を用いたものもある。

語源と初期の用法

初期の用法

大辞林(第二版)では「多く「オタク」と書く。二人称の「おたく(御宅)」を語源としエッセイストの中森明夫が言い始めたとする説が有力。1980 年代中ごろから用いられるようになった」とされるが<ref>goo辞書「おたく」[3]</ref>はっきりしない。用語としては私的な場面で用いられる二人称敬称(「お宅様」=あなたさま)であり、もともと山の手言葉としては一般的であった。トキワ荘では手塚治虫の真似をして話し相手を○○氏(赤塚にむかって「ところで赤塚氏(アカツカシ)このまえの作品の評判・・」など)あるいは「おたく」と呼称しあうのが通例であった。

人間類型を指す語としておたくが最初に使用されたのは、アスキー出版局 月刊ログイン編集部のアナログプログラマーツルタが、その類の人物を「おたく」と命名したことに始まる。当初は漫画、プラモデル、鉄道模型などが好きな少年らが、団地主婦の「御宅のお子さん…」というせりふを真似し、友人らを指して「御宅は…」ということが流行であったことから、そういった分類の少年らを指して「オタク」と編集部内で呼称するようになったことが起源。編集部に出入りしていたエディター野々村フミヒロにより、コラムニスト中森アキオ、文化人類学者の中沢新一らに伝わり、彼らの著書に掲載されるようになったことから新人類ブームの中、蔓延した。

その後、『漫画ブリッコ』でコラムニスト中森明夫が連載した『「おたく」の研究 』(1983年)の中で、アニメや漫画の愛好者が二人称として「御宅」という語を使う異質性から、その人間類型をおたくと呼称することが提案された。中森はオタクを非常に否定的な文脈で記述しており、ガンダムやヤマトなどのアニメマニアや漫画マニアの幼児性をあげつらうような蔑視的な記事であったため読者の反発を買い、編集者であった大塚英志との間で論争となった。

なお、「おたく」がマスメディアに取り上げられ始めた頃には、「太陽族」や「竹の子族」に準じて、「おたく族」と呼称された(ラジオ番組「ヤングパラダイス」より『おたく族の実態』など)が、1990年代半ば以降は用いられない。また、初期のコミックマーケットが開催された大田区産業会館が語源なのではないかという俗説があるが、駄洒落でしかない。

秋葉原(電気街)とオタクの関係については、1960〜70年代の中学〜高校世代のアマチュア無線家やオーディオファン、1970年代になって現れる初期のパソコン嗜好者たちが秋葉原の専門店で、大学のサークルや研究室で、顔見知り程度の愛好家仲間の間で、「お宅はどのようなアンテナをお使いですか?」や「お宅のスピーカーは自作品ですか?」といった会話を日常的に交わしており、1970年代の若年アマチュア無線家の多くが、当時、既に「おたく…」と呼び合っていた。これは山の手の住人にとっては普通・日常の会話であったであろうが、秋葉原発のオーディオ文化、パソコン文化が地方周縁部に波及するにおいては「おたく」は特別な響きをもって受け止められた(「おいおまえ」呼ばわりしていた友人がある日突然「ところでおたく」などと言い出しては衝撃を与えるなどして)。

当時は若年層でアマチュア無線等の趣味を持つ人は少数派であり、どうしても仲間同士で集まって専門的な話をする機会が増えるため、周囲からは特異に見られることが多かった。また、家族や知人にしてみれば、一人で勝手に機械を買ってきては、なにやら一人で楽しんでおり、関係性の希薄そうな人の輪、仲間どうしで情報交換している内(うち)向きな様子は、確かに「オタク」とされるステレオタイプな原型があったわけである。

彼らの多くが現在のオタクになったという確証はなにもないわけであるが、電子機器を核とする興味の対象を、次第にパソコン、ゲーム、アニメ、フィギュア等にシフトさせていったグループも多かったことだろう。彼らの象徴的な活動拠点である秋葉原日本橋(大阪市)は1970年代以降、かれら興味の対象に重なるように家電の街から趣味の街へと次第に変化した。

おたく/オタクの変遷

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時代的遷移

オタクは「時代」にあわせて変遷してきた<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />。

前史
オタクという語が成立する以前にも趣味に生活より多くの時間と金銭をつぎ込むものはおり、古くは趣味人数奇者(和歌や茶道に熱心な者)とよばれた<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />。例えば戦国時代の武将古田織部などは「オタクの大先輩」と言われることもある<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66">榎本秋『オタクのことが面白いほどわかる本』中経出版、2009年6月5日(50-66ページ)</ref>。また近世では海外の文物を受容する傾向はマニアフリークあるいはディレッタント<ref>英,伊:dilettante、好事家。学者や専門家よりも気楽に素人として興味を持つ者</ref>と呼称されることが多かった。海外文化の受容については表面的な模倣を重視する層をスノッブキッチュと蔑視し、あるいはその軽薄で表層的な受容態度を逆に珍重してみずからをそう呼称することもあった。コレクターは古くからおり、ウルトラマンバービー人形ドールハウスなどの玩具コレクターは大人の趣味として一定の評価があり、隠然として存在した。映画スターや歌手を熱狂的に応援するアイドル嗜好はマスメディアの発展と軌を一にし、原点は江戸時代の歌舞伎絵にまで遡れるかもしれない。
また、1950年代中盤から末にかけてのSFファンダムファンダム)が後のオタクの母体となったという指摘もあり、子ども向けと考えられていたものの中に大人でも楽しめるものが存在し、また、作品から派生する二次創作、サークルやイベントでの交流など、オタクの特徴とかさなる部分がある<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />。
アニメブーム(1970年代後半~1980年代中期)<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />
このころのアニメーション作品の中には、従来の児童向けに混じって、中高生等の青少年層を対象とした、比較的ドラマ性の高い物が増えたことも、アニメーションブームを加速させた要因に挙げられる。この現象において『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『ルパン三世』といった、一連のテレビ放送・劇場公開作品の大ヒットが、アニメ産業の急速な成長を促した。この頃は侮蔑や否定的な意味合いが比較的少ないアニメファンと言う言葉で呼ばれていた。やや遅れて、当初は子供向けとして企画された『機動戦士ガンダム』が登場。中高生のアニメファンに人気を博し、「ガンダムシリーズ」と呼ばれる一連の作品群と固有ファン層を派生させた。1978年にアニメージュが創刊され、1983年にはアニメイトが創業した。
バブル景気時代(1980年代末期~1990年代初期)
バブル景気の頃からプロダクション制導入に伴う大量生産期となり潤沢な資金力・労働力を背景に表現力が高度化したアニメーションに対し、尋常ならざる興味を抱く人が増加した。また同時期、、バブル景気に伴う余暇時間と可分所得の増大からテレビビデオデッキ・高価なオーディオセットを個人用に購入するケースが増え、それらに耽溺する人が増えたことも、おたく増加の要因として挙げられる。この頃、「おたく」という人間類型の呼称が確立し一部では社会現象として着目され始めたと言われる。1985年にはスーパーマリオブラザーズが爆発的にヒットしファミコンおたく・ゲームおたくが登場し、ゲームに没頭し学業をおろそかにする児童・学生が次第と社会問題となる。
エヴァンゲリオンとテレビゲーム(1990年代後半)
視聴者に対して・哲学的な問いを想起させる『新世紀エヴァンゲリオン』の登場は、学歴偏重社会の崩壊や景気鈍化傾向にあって、漠然とした不安を抱える青少年層に強い影響を与え、同作品の関連事象(セカイ系)は社会現象とまで言われた。一方、テレビゲームパソコンゲームの高度化と普及に伴い、ゲーム市場が広がったことは、ゲーム関連企業にとっては大きな福音となり、多数のゲーム制作会社が勃興を繰り返した。1995年にWindows95が発売され家庭へのパソコン普及が進んだことで恋愛ゲームおたくエロゲおたくなどが一般化した。またときめきメモリアルシリーズなどがキラーコンテンツとなり家庭用ゲーム機の世代交代が進んだ。
エヴァ放映直後の1996年5月に岡田斗司夫は自著『オタク学入門』その最終章で、「オタクは日本文化の正統継承者である」と主張している。
一般市場化と氾濫(2000年代
数多くの作品が登場する一方、DVDの普及により、かつての「ビデオテープ・ソフト一本1万円弱」などという傾向が無くなり、3千円〜5千円で安価に販売される映像ソフトの販売が一般化した。コンビニエンスストア店頭でも数多くの映画・ドラマ・アニメのDVDが販売されるようになると、「ビデオソフトを買って見る」という、かつてはコアなマニアやおたくに限定されたことを一般の消費者がするようになり、一般の社会でも普通に売られ普通に買われていくようになる。このためヤンキー文化、渋谷系などの、かつてはおたくと縁遠いと見られていた要素とおたく文化の結合も観察されるようになっている(痛車の要素を取り入れたVIPカー、渋谷系を取り込んだアニメソング「アキシブ系」など)。
またパソコンやゲーム機の普及は、かつての専門家やマニア主導ではなく、娯楽家電の一種として家電製品並に普及したこともあり、裾野の広い市場を形成している。その一方でおたく向け商品の市場も拡大し、電気街として知られた秋葉原の様相を、漫画・アニメ・ゲームの街として激変させるに至っている。
2005年には株式会社ビブロスにより第一回全国統一オタク検定試験が実施され、またこれがTV、雑誌、ネット、日本以外の国の通信社からも大々的に取り上げられるという事象も発生した。
こうした状況は経済界も注目している。たとえば、野村総合研究所の調査ではオタク市場(自作パソコン、アニメ、ゲーム、アイドル、コミック市場の合計)の市場規模は2900億円である。また、経済産業省は、日本のコンテンツ産業の国際展開の促進という観点から注目している。
しかしコアなおたく向け商品が一般市場から見て特殊な商品群(ニッチ市場)であることには余り変化は無い。メディアワークスの『電撃G'sマガジン』編集長である高野希義は2004年9月7日の「CEDEC 2004」において、おたく市場向けのいわゆる「萌えゲーム」が既に「特に先鋭化されたおたく」にしか判らない世界と成りつつあり、衰退してしまうおそれがあるとする談話を述べた。高野は談話において双恋を紹介する際、テレビを広告塔として使いつつ王道に戻って10歳代の開拓を目指すと語った。

世代的遷移

また「時代」の変遷にあわせてオタクの性質も変化し「世代」と呼ばれるものが形成されてきた<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />。

オタク第一世代(1960年代生まれ)<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />
基本的にSFファンで、劇画の登場により漫画は大人も読むものとして認められつつあったが、「アニメは子どものもの」という風潮の中で育った。
しらけ世代」「新人類」と言われた世代であり、少年期には『ウルトラマン』『仮面ライダー』『マジンガーZ』といった怪獣・変身ブームの洗礼を受け、しばしば特撮への嗜好を持つ。漫画やアニメは、学生運動を主導した焼け跡世代団塊世代の抱いていた社会変革思想の対抗物として意識されていたため、彼らのオタク趣味全般に韜晦や理論化・体系化への指向が強い場合が多く、オタクコミュニティ内のジャーゴンとしてキーワード化を行っていた。コミックマーケットなど現在に至るイベントの基礎を築いた者もこの世代である。
オタク第二世代(1970年代生まれ)<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />
少年期に『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』などアニメブームの洗礼を受け、広くアニメなどが趣味の範疇に受け入れられた。これらの作品がSFを基底として、架空の技術体系を構築する手法をとったため、提供される側はその架空の技術体系を網羅したがる方向性も見られる。「ガノタ(ガンダムオタク。ガン―オタが綴りから“ガノタ”と変形)」に代表されるシリーズ作品内の知識体系のみに耽溺し、現実の知識体系とのすり合せを行わない傾向も派生させた。
末期新人類(バブル世代)と団塊ジュニア1970年代後半生まれ(つながり世代)に相当し、1970年代末期~1980年代のテレビゲーム・パソコン趣味の担い手ともなった(ファミコン世代)。ロボットアニメ最盛期に育った世代でもあり、プラモデルもこれらの作品に関連した製品が登場して一大市場を築き、その受け手(消費者)となった。なおこの世代の親(1940年前後生まれ)は、『仮面ライダー』の石ノ森章太郎や『機動戦士ガンダム』の富野由悠季など、特撮の大作家が多い世代である。
また『キン消し』や『ビックリマン』、『ドラゴンボール』が少年期にヒットしたのもこの世代である。
オタク第三世代(1980年代生まれ)<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />
1990年代後半に『新世紀エヴァンゲリオン』の洗礼を受け、セカイ系と言われるムーブメントの担い手となった<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />。この時期にはアニメやコンピュータゲームが趣味のひとつとして市民権を得るようになり、メインカルチャーとサブカルチャーの差が薄れた時代に育った。そのため、オタク趣味に後めたさや韜晦意識を持たず、単に多様な趣味のひとつとして、アニメやゲームを楽しむ者も増えた。
1980年代前半に生まれた世代(ネット娯楽世代)は、高校時代までにインターネットが普及し始めた世代であり、インターネットをテレビや雑誌などと同質の情報媒体として利用していることが伺える。これは、1970年代後半に生まれた世代(つながり世代)が、インターネットを独立した一つのメディアとして捉えたのとは対照的である。
なお、第三世代以降の世代ではオタク趣味が一般的なものとなり、おたくコミュニティの拡散化と嗜好の分裂化・多様化がかなり進んでいる。個人個人を一つの世代で括って考えることが難しくなっているため、安易な世代論を問題視する声もある。
オタク第四世代(1990年代生まれ)<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />
インターネット利用が一般的な環境の中に育ち、従来の世代が遊び場や友達・仲間を広場や公園・路地裏に求めたのと同質の感覚で、コンピュータネットワーク上のネットコミュニティにも求めていった世代である<ref name="オタクのことが面白いほどわかる本50-66" />。インターネットなどを通じて知った日本以外の国のアニメ・コミック作品に傾倒したり、復刻ブームから1960年代1970年代のアニメや漫画や玩具が容易に手に入るようになったことから、親(オタク第一世代)の少年時代に流行した作品に熱中するおたくも相当数生まれている。
第三世代と第四世代は世代文化に大きな違いがなく、嗜好や文化のかなりの部分が重なる。第三世代以降のおたくは、インターネットを通じてアニメや漫画の情報に触れ、それを好むことに対する忌避感があまりないこと、従来の内輪で楽しんでいた第二世代以前のおたくからは違和感を持たれることがある。かつておたくの対極と見られていたヤンキーでありながらおたく趣味を好む者も現れ、いわゆる痛車やレディース(女性暴走族)によるコスプレ<ref>アキバ総研記事「「コスプレ暴走族(レディース)」が再び秋葉原に登場! その正体は…」</ref>などに見られる暴走族文化との融合という現象も発生している(→暴走族#暴走族と社会)。
  • 「オタクだからこそ女の子をまもります」宣言 - 2004年3月12日に個人のウェブサイト上で公表された宣言である。同年8月末までに300以上のウェブサイトが賛同を表明した。参加資格は「オタク=性犯罪予備軍と見られる風潮に異議ありなサイト様」に該当すること、とされている。
    • 宣言の趣旨
      • 「オタク=犯罪者予備軍」的な差別及び、そうした偏見を助長する報道に反対する。
      • 「可愛い」女の子が辛い目に合う状況を断固否定し、犯罪に手を染めないことを誓う。

おたくと地域性

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日本

おたくの在り様に関しては、日本でも地方都市などでは関連媒体の流通量やコミュニティの有無などにもよって、若干の地域性が見出せる。この中には21世紀に入って急速に地方都市などにもおたく向け専門のチェーン店が進出するなど一様化も進むが、それでもコミックマーケットなど大都市圏に集中しがちな大規模な催しもの(イベント)もあり、2000年代では依然として「おたくの地域格差」もみられる。後述するように、特定の地域にそれら文化発信拠点が集中して発展する様子も見られる。

  • 一般的に、東北地方北海道地方はおたくにとって厳しい環境だと言われていた。しかし東北・北海道地方の中心都市である仙台市札幌市等の中核都市では、各種ショップの出店が進んでいる。(参照:河北新報「萌える仙台」)ただし仙台市がある宮城県にはおたく文化の発信源の一つであるテレビ東京系列局がないという事情はあるが、近年の多チャンネル化により環境は以前より好転しており、2011年以降テレビ東京系列局が開局する計画もあり今後が期待される。また、東北地方に関しては保守的な地域と思われがちだが、日本の他の都市部以外の地方と比較して特に保守的であるという根拠は無い。
  • おなじ「地方」でも、瀬戸内の広島・岡山・松山と北陸の金沢は地方都市でありながら大手ショップなどがある程度進出しており、また地場資本のショップも多いなど、おたくにとって比較的暮らしやすい地域であると言われている。
  • ケーブルテレビやCS放送の普及、またYouTubeの登場やネット通販の浸透などによって地域格差は解消されつつある一方で、大都市圏から外れた地域(特に宮城県以外の東北地方、札幌都市圏以外の北海道地方、石川県以外の北陸地方、瀬戸内以外の中国・四国地方、福岡県以外の九州・沖縄の各県{特に長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県})はネットやCS環境が整っている現代においても、オタク文化が育たないとされている。大都市の衛星都市以外の町村部や離島地域では、ネットは今も最高でISDN接続が関の山で、さらにはダイヤルアップ接続だけの地域もあり、ネット配信が出来にくい環境も一因である(もちろんYouTubeも容易には見られない)。
  • さらにこれらの地方はオタク文化に関して不寛容かつ伝統を強く重んじる、いわゆる「教育県」である場合も多く(特に福島県長野県山口県)、テレビ局の放送内容に教育行政がローカル局(特に県が経営に参加することが多い第三セクター局)に注文をつけるケースも多いという。山口放送に至っては初代社長・野村幸祐が教育行政の当事者だった。山口県のテレビでの状況については、こちらに情報あり。


中国

中華人民共和国でもおたく(御宅族)は日本と同様にゲームやインターネットなどといった屋内で遊べる娯楽に没頭し、一般的な人々と比べると外出頻度の少ない人をさす用語として定着している。現代では若年層を中心としての増加が著しく2007年の調査によると15~35才の2割以上がおたくであるとの事。

中国のおたくの中には研究族と呼ばれ強い社会的責任を持ち無償で公益活動に参加するなど日本の高等遊民と類似した人々が数多く存在している。彼らは分類化されたおたくの中でも特にインターネットへの依存度が高いと共に利用時間も格段に多い。[4]

日本以外での受容傾向とその変化

日本以外では1990年代中後半より、一種の尊敬の意味を込めてオタク (Otaku) が使われていた。アニメ (Anime) を始めとする日本発のポピュラーカルチャー愛好者を指す名称であり、好んで自らを Otaku と称するものも存在した。

台湾では、映画「電車男」の上映以来、「オタ」を中国語化した「阿宅」や「宅人」などの呼称がだんだん広がってきた。ただし、意味を理解せずに誤用している人が多く、マスコミまで誤用しているという厳しい事態になっている。

オタク文化に対する日本と他の国における認識・受容の違い

オタク文化に対する受け止め方は、日本以外の国においては日本とは幾つかの点で異なる。その一つが欧米で古くから盛んに行われているファン大会 (Convention) という活動で、その年齢層も幅広い。

アニメコンベンションにおいては、Fan-cosReenactment (史的事実再現)と呼ばれるコスプレが行われる。SFやファンタジー映画の公開に観客がコスプレをしてくることが一般的であるように、ファン大会会期中、会場外でもコスプレを行うことが許されており、会場となる地域の市民もそれをイベント的なものとして受け止めている。コスプレ自体は日本でもファン活動として一般的だが、日本では会場外でコスプレ衣装のまま行動するのは「禁忌」という暗黙のルールが存在する。Template:要出典

但し、日本以外の国において Fan-art二次創作のイラストやマンガ)や Fan-fic (二次創作の小説)、 Fan-sub (マンガ・アニメ作品の翻訳)といった形でオタク的な活動が行われることはあるが、日本のコミケのように商業的な行為との結び付きは殆ど見受けられない(寄付を求めることはある)。むしろ、採算を度外視して純粋に活動を楽しみ、ファン大会では交遊や情報交換を楽しむといった傾向が強い。

英語における「おたく」の類似語

英語(米語)では、日本でのオタクに近い意味を表すためにはNerdナード)という言葉で表現され、パソコンオタクや電子工作オタクを指す場では geekギーク)が用られる。 また(wizard)ウィザードの略語である(wiz)ウィズを単語の後につけコンピューターウィズ等と使う表現もある。しかしこれは魔法使いと言う意味も含むため宗教的問題から、近年は余り用いられることはない。

  • アメリカのナードに付いて歌われた曲White & Nerdy参照。
geek
日本では技術フェチとも訳され、機械類にフェティッシュな感情を示しかねない類型だともされるものの、日本のオタク文化における消費者としてのフェティシズムではなく、朝から晩までそればかりを考えていて、挙句の果てには終生の仕事としてしまうなどの「身も心も捧げる信奉者」という意味で使われる。
nerd
ナードを参照。
dork, dweeb, goon, and doofus
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文献情報

  • 「現代日本におけるコミュニケーションの変容」相田美穂(広島修大論集2004年9月30日)[5]
  • 「おたくをめぐる言説の構成」相田美穂(広島修大論集2005年9月30日)[6]
  • 「『おたく』のコスモロジー」石井久雄(日本教育学界大会研究発表要項1998年8月23日)[7]
  • 「戦後ユース・サブカルチャーズをめぐって(4) : おたく族と渋谷系」難波功士(関西学院大学社会学部紀要2005年11月8日)[8]

関連項目

関係する地域・地域関連事象

おたくの文化・消費行動に特化した業態が集中する地域や、またはその地域に関連して発生した事象など。

脚注

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